テーマ② 『目・眼・瞳』にまつわる豆知識
『目・眼・瞳』動物の眼は3種類!

単眼と複眼という言葉は良く耳にするし、知っているような気もします。でも昆虫の目は複眼、人間を含めた多くの哺乳類は確か単眼、なんて思っていませんか? それ、大きな思い違いですよ。
動物の眼の形態は大きく3種類に分類されます。「カメラ眼」って聞いたことありますか? 人間の眼はこのカメラ眼に分類されます。

カメラ眼

カメラ眼とは、基本的にはいわゆるカメラと同じ構造を持つ目のことです。ピントを調整する1枚の大きな「レンズ(水晶体)」、取り込む光量を調整する機能、面積が広い光受容組織「網膜」を供えた構造体。すべての脊椎動物が備えていて、大型の動物でも比較的小さな目で視力を持つのに適しています。レンズを動かす筋肉を発達させたため遠くを見る事ができ、角膜や水晶体を持った事で像を結ぶ点で優れた機能を持っています。
人間の眼
人間の眼

単眼

節足動物や軟体動物の多くが持っているのが単眼。レンズと網膜は備えていますが、ピント調節や絞りなどの機能がないのです。そのため具体的な物の形などは識別できず、光の明暗だけを見分けることができます。
昆虫の多くはこの単眼のほかに複眼も併せ持っていることが多いようです。

複眼

単眼が複数集まったのが複眼。この場合ひとつひとつの単眼は「個眼」とも呼ぶようですね。この集合体としての複眼は非常に複雑怪奇で、機能や役割にも分からないことが多いのです。個眼は少ないものでも数十個、たいていは数千個という大集合体で複眼を形成していて、たとえば昆虫の多くは、それぞれ違う部分を捉えた個眼の情報を併せて、見ている物や景色の全体像を認識しているのだと想像されています。そのため動きを察知することには適していますが、その分対象を精密に具象化するには無理がある、ということですね。
単眼と複眼
画像左が複眼。右の1つだけ拡大されたものが単眼
同じカメラ眼でも人間の眼と魚の眼、また肉食動物と草食動物などは目の配置によって視野が異なるなど、目に対する興味は尽きません。
追々そんな部分もひもといていきたいですね。