テーマ③ 近視・乱視
屈折異常が引き起こす「近視・乱視」

今まで、ものが見えるしくみ(目に入った光は角膜と水晶体で屈折し、網膜上に焦点が結ばれる)をカメラに例えて説明してきました。ちなみに光の入り口角膜から像が映し出される網膜までの距離を、舌を噛みそうですが眼軸長(がんじくちょう)といいます。
正常な目では、近いものを見るとき、遠くのものを見るとき、どんな距離のものを見る場合でも水晶体の厚みを変えることで屈折の度合いを調整し、きちんと網膜面に焦点が結ばれます。ところが入った光が角膜と水晶体を通るときの屈折の度合いと眼軸長のバランスが崩れると、屈折異常とよばれる状態が起こってしまうのです。
網膜の手前で焦点が合ってしまうものを「近視」、網膜の後ろに焦点が合ってしまうものを「遠視」、また、レンズに歪みがあり、光の焦点が目の中で1点に絞られないため見たものがダブってしまう状態を「乱視」と呼ぶのです。

近視

眼軸長が長い状態。光の屈折率が大きいため、網膜の手前で焦点が合ってしまいます。そのため遠くが見えにくいという事が起こります。近視の原因は今のところよくわかってはいませんが、遺伝的な要素、つまり親が近視の場合こどもが近視になる可能性は比較的高いようです。もちろんテレビやパソコンなど、目を酷使する環境的な要因も関係することは間違いないでしょう。
【焦点と見え方のイメージ 正常視と近視・遠視の場合】
焦点と見え方のイメージ 正常視と近視・遠視の場合
焦点と見え方のイメージ 正常視の場合焦点と見え方のイメージ 近視の場合焦点と見え方のイメージ 遠視の場合

乱視

網膜の前方や後方焦点が複数できてしまう状態。正常な目の角膜は縦方向も横方向もほぼ同じカーブを描きますが、このカーブが縦と横で異なる、つまりレンズに歪みが生じて複数の焦点ができるため、ものがブレたりボケたりして見えにくいのです。気をつけたいのが乱視は近視や遠視に合わせて現れることが多いという点。近視や遠視の検査を受ける場合には乱視の有無にも注意したいものです。
【焦点と見え方のイメージ 正常視と遠視の場合】
焦点と見え方のイメージ 正常視と遠視の場合
焦点と見え方のイメージ 正常視の場合焦点と見え方のイメージ 遠視の場合

乱視の簡単セルフチェック

以下にセルフチェックの図がありますので、この機会にご自身の乱視度をチェックしてみてください。放射状の線が角度によって均一の太さに見えない場合は、眼科医院での検査をおすすめします。
乱視の簡単セルフチェック