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テーマ③ 老眼とは?
「老眼」は病気じゃない、でも… 自己判断の間違った対応は余病のもと
「老眼」は病気ではありません。誰でもが歳を重ねれば通る道。無駄に怖がったり嫌がったりする必要はありません。でも、現代人の生活環境は、IT機器や紫外線・ブルーライトなど、それでなくとも眼にとって常に大きなストレスに取り囲まれていて、間違った知識や対処が眼の健康を損なうことに繋がりかねません。老眼は水晶体の弾力性が弱まり、調節力が低下した結果、近いところが見えにくくなる症状を指します。老眼が始まったら、きちんと検眼をし、その進み具合に応じた自分の状態に合うメガネなどで微調整をしながら快適な見え方を継続していくことが肝要です。そこで今回は「老眼」を正しく知るためのコラム。少しだけ自分の眼について考え、正しく眼をいたわってください。
こんな症状があったら老眼が始まっているかも
- 眼が疲れる
- 目がかすむ
- 薄暗いところでモノが見えにくい
- 細かい文字が読みにくい
- 頭痛や肩こりが酷くなった

間違いだらけの「老眼」知識

そんなことはありません。近視の場合、老眼が始まっていても、正視や遠視の人と比べ、もともと近いところにピントが合っているので、その分水晶体の調節が必要ないため、一見老眼になっていないように見えるだけです。同様に「老眼になると近視が治る」というのも単なる思い込みです。
近視でかつ老眼の人には、全焦点プレミアム『UV420』などのように1枚のレンズで複数の焦点を持つ多焦点レンズが大変便利なものです。
近視でかつ老眼の人には、全焦点プレミアム『UV420』などのように1枚のレンズで複数の焦点を持つ多焦点レンズが大変便利なものです。

眼の機能の老化は老眼鏡を使っても使わなくても、誰でも60歳頃までは同じように進行します。どうやら、老眼鏡を使うようになると無理をしなくても見えるため、外したときの見えにくさがより一層気になって、こんな間違った感想が生まれたようですね。

これはダメ。近視や遠視あるいは乱視があるかないか、その度合いは、などで老眼鏡の度数はそれぞれ変わってきます。また、男性・女性では顔幅や輪郭も、当然合うフレームも違っているのが当然。自分に合わないメガネを我慢して使うのは愚の骨頂です。

メガネはレンズの中心と瞳孔の中心がピッタリ一致してこそ本当の威力を発揮できるものです。最初からレンズが入っている出来合いのメガネでは、左右の眼の間隔や左右の視力の違いにも対応できません。やはりメガネはひとり一人ご自分の眼に合ったものを選んでこそ、といえるでしょう。

老眼鏡の度数は、眼の調節力、手元作業の距離や読書姿勢などを正す補助をするのが大きな役割です。実際の進み具合より強い度数の老眼鏡は、かけてみると読書の姿勢が猫背になったり、手元作業の距離が極端に短くなったり…。下手をすると眼の疲れや頭痛、吐き気の原因にもなってしまいます。老眼鏡は進み具合にあった快適なものを、何年かごとに度数を測って使うのが基本です。